わたしはノジュオド、10歳で離婚
ノジュオド・アリ 河出書房新社
世の中には考えもつかないことがあるものです、発展途上国で婚姻年齢が低いらしいという情報が一般的であったとしても・・・
イエメンのある地方で起こった大騒動。違法でありながら幼年で強制的に結婚させられるというのは、その地方では特別なことでは無かったようです。
家庭が貧しいが故に、少しでも食い扶持を減らすために早めに結婚させる、そしてそれが名誉にもつながる・・・当然それが結婚させられる子どもにとって幸せであるとは限らないわけです。
ノジュオドは結婚後、毎日のように夫から暴力を受け、耐えかね裁判所に逃げ込みます。しかしその後は幸運にも支援者が現れ、離婚を勝ち取る。
当然、村の暗黙のルールを破り、10歳で離婚するというセンセーショナルなニュースで世界が彼女を有名にしたことで、一方で恥さらしとして数々の嫌がらせも受けます。
しかし彼女は、同じような境遇の子どもたちを救うため、将来に向かって歩み始めました。彼女は不当な結婚を強いられた子どもたちの救世主となるでしょう。
思いテーマですが、彼女のあどけない雰囲気がよくあらわれた文体で、意外と読みやすく、前向きな気持ちになります。
2011-7-7
カテゴリー:世界の社会問題