#88
「脱原発」成長論 新しい産業革命へ
金子 勝 筑摩書房 (2011)
金子さんは経済学の先生で、経済学の視点で脱原発を語ってくれます。本のタイトル通りの内容。
金子さんはこの本で、震災後の原発事故をめぐる状況を時系列で追い、世界的なエネルギー政策の流れを説明、これからの震災後の日本の再生の姿を描いてみせます。
金子さんは、地域分散ネットワークというのを提唱しました。エネルギーは再生可能エネルギーによってリスク分散のためその地域ごとで供給できるようにしネットワークでつなげよう、今回の震災では地域の「復興構想会議」にイニシアティブを持たせよう、そして、地域のコミュニティをベースにした復興方式を考えていこう、など。
個人個人では業を立て直すことが難しくても、共同体として再生を図ることができるかもしれない。以前ご紹介した「日本の魚は大丈夫か」という本にもありましたが、単に震災前の状態に戻すのではなく、それ以上のものを目指す。
今の時代、様々な利権の構造が強すぎてなかなかこういう身動きが取れないかもれませんが、ぜひ実現してほしいと思います。
2011-12-30
カテゴリー:経済・ビジネス/原爆・原発・原子力