#259
タックス・ヘイブン
志賀 櫻 岩波書店
タックス・ヘイブンって、聞いたことはあっても、あまり良く知らないですね。世の中には税のほとんどかからない地球上のどこかにある小さい国があり、稼いだ金をそこの銀行に預けることで、課税逃れができる、そんな場所、というくらい。
マネーロンダリングなど、悪事に活用しているというイメージも強いですが。
どこか違う世界の話のように聞こえますが、実は私たちの生活につながる問題でした。
申告納税者の所得税負担率が、1億円をピークに、それ以上の所得になるとどんどん率が下がっている、という事実。
え?と思いますが、それはタックス・ヘイブンが少なからず絡んでいる、ということらしいです。
利用しているのは高額所得者や大企業が多いようですが、言うなれば、この人たちや企業が収めるべき税金を我が国の一般庶民が肩代わりしているということです。
もちろんそんなことをしている方や企業はほんの一部と信じたいですが、日本からもかなり利用されているようですね。タックス・ヘイブンというのは国の外に存在しますから、国をまたがる問題故にこのようなタックス・ヘイブンを通しての租税回避を解消するのはなかなか難しいようです。
それよりももっと驚くべきは、表向きはタックス・ヘイブンが「問題がある」としながら、実は裏では自らがタックス・ヘイブンを抱え、それで国を潤わせている、という某先進国がある、という事実。
利益相反故に各国政府はこれについて積極的に動く気は無いでしょうから、この問題、もっと多くの国民が知らなくてはなりませんね。
2013-7-6
カテゴリー:経済・ビジネス/世界の社会問題