#39
鬱(うつ)とマクロビオティック
先日読みました「はなちゃんのみそ汁」という本に、
マクロビオティック
のことが書いてありましたので、思い返しついでに今回はこのテーマで。
私は、一番最初に勤めていた会社を今から10年ほど前に辞めました。
景気の悪化により私が勤めていた会社も労働条件が悪くなり辞める人が続出、残った人にそのしわ寄せが来ました。
私も辞める直前は1カ月に1回くらいしか家に帰れない状態に。
私も精神的・体力的にも持たなくなり、ついに会社を辞めたのでした(まあ私の仕事の仕方が悪いということもあるのですが)。
しばらく休養しながらハローワークで職探しをし、そこで見つけた、とある会社に就職。
ところが。新しい職場で頑張ろうと自分なりに奮闘するのですが、それにも関わらずやる気が出ない、しかも昼間居眠りするという症状が発生、その会社も3カ月でクビになります。
病名、鬱(うつ)病。最初の会社での過労が原因のようでした。
それで、都内にある、数々の過労のビジネスマンを治してきたとの評判のメンタルクリニックに通います。毎日数種類の薬を飲む日々が続きました。
再び職探しに励むうち、一番最初の会社の上司であった方が、今現在の仕事を紹介してくれました。
そして、仕事に通うことになるのですが、鬱病がそう簡単に治ることもなく、やはり2番目の会社に勤めていた時と同じような、やる気が出ない、昼間に居眠りする、という症状を発するのです。本当にこれには困りました。
鬱病は普通不眠の傾向はあるが昼間眠くなるのはなぜかわからないと医者は首をかしげるばかり。鬱病の他に原因があるのではないか、そう思い、他の医者を当たってみます。
睡眠時無呼吸症候群が原因ではないかと思い呼吸器系の医者に行ってみたり、睡眠に問題があるのではないかと想い睡眠系の医者に行ったり、もっと根本的な問題があるのではないかと思い東洋医学の医者に行ってみたり。しかしそれでも、目に見えるような効果は見られなかったのでした。
その一方で、職場での昼間の居眠りは一向に治まらず、自分が昼間居眠りをしていることを周りでちょっと問題にするような声が聞こえてきたりしましたので、ああ、クビになるのも時間の問題だな、と、半ばあきらめ気味になっていました。
見かねてヨメさんが「マクロビオティックというのをやろうと思っているのだけど」と提案してきました。前から気にはなっていたのだけれど、やってみようと思う、と。話を聞くと、基本的にご飯は玄米、肉・魚は食べない、野菜を多くとる、と言うではないですか。
私としては肉が食べられないというのは抵抗がありましたけど、それまで何をしても症状が上向かず八方ふさがりになってましたから、しぶしぶOKしました。ある意味、まな板の上の鯉ってやつです。
と同時に、知人から紹介があった整体の治療室にも通いました。合わせ技でいこうというわけです。
しかし、これらが今思うとすごかった。
1年半ほどそれまでの治療で目に見える効果がなかったものが、マクロビオティックと整体を初めて、確かわずか3〜4週間で効果が目に見えてきました。
まず、昼間の居眠りを抑えることが出来るようになった。眠いは眠いのですが、それを精神的に抑えることが出来るようになりました。
そして、体が軽くなった。マクロビオティックを始めると、体重が急激に減って、しばらくすると適正体重に戻るのだ、とヨメから聞きましたが、体重ももちろん、体の感覚が軽くなったのが目に見えるように分かりました。
おかげさまで、それ以降は健康状態もどんどん回復し、普通に仕事ができるようになりました。
結婚当初、ヨメの料理に多少抵抗感がありました。それは、味付けが甘いこと。
親が山形出身で食事も塩ベースで育った私には、何にでも砂糖を入れる宮崎出身のヨメの料理にはちょっと閉口気味でした(それが宮崎の一般的傾向なのかヨメがたまたまそうだったからなのは分かりませんが。)
当時結婚して間もない頃でしたし、とても文句も言えず受け入れていましたが、砂糖を使わないマクロビオティックに変ったのは今思うととても喜ばしいことでした。
私はちゃんとマクロビオティックの勉強をしたわけでもなくヨメからの聞きかじりなのでこれ以上のことは言えませんが、私はマクロビオティックがとても今の健康状態に大きく寄与したと思ってます。
当時は同時に整体にも通ってましたし、マクロビオティックとどちらの効果で体調が良くなったかは分かりませんが、整体も1年くらいで概ね良くなったということで終了し、それでもなおどんどんと体調が上向く実感があったことを考えると、私の鬱病にマクロビオティックは多大な影響を与えてくれたと確信してます。
それと同時に、料理に使う食材についても、農薬や化学肥料を使わないものをなるべく使うように心がけました。
そりゃそうです、人間の体は食べたもので出来ているのですから。食事は燃料補給ではなく、生命をいただくこと。農薬や化学肥料でメタボで虚弱になった野菜を採れば、人間の体も自ずと同じようになってしまうのは、考えてみたら当たり前のことです。これらのことに気づいたのは本当に大きな成果でした。
とは言っても、やはり人間ですから、ついついジャンキーなものや甘いものやお酒なんかを隙あらば採ってしまうのは致し方のないところ。人間、食べものだけでなく精神でも造られていますから、たまにはそういう息抜きをしないといけません。(という言い訳をしてみる・・・)といってもマクロビオティックの料理はおいしいですからね、不満はありませんが、今まで習慣で食べていたものを断つのが難しいという話。
何を食べるか、というのは全てにつながってます。良好な食事によって、体調は良くなり、そのために医者に行く機会は減り、精神的にも安定し、それが社会とのつながりにも影響を与えます。
当然仕事にも関わりますし、家庭とのつきあい、周りのとの付き合い、全てに影響するのだと思うのです。
鬱と食べ物は一見何の関係も無いように見えますが、やはりつながっていたんだと思います。
たかが食べ物、されど食べ物。
2012-6-2
カテゴリー:ライフスタイル