#130
ふるさとの歴史
2014-2-7
昨年末ころ、私が育ったふるさとの町の歴史について書いた本を読んでみました。
ふるさとと言っても、今住んでいる市の隣の町で、ここから車で約10〜15分くらいですから、今住んでいるところもふるさとの延長みたいなものですが、もうそのころから今後宮崎に行くことを意識していたからでしょうか、妙にふるさとというものが気になりだしたのです。
考えてみれば、自分が育ったふるさとの歴史って、全然知らないなあ、と。
町で出版している出版物について調べていたことがあって、ある日ぽっかりと時間が空いたときがあったので、ふるさとの町役場に行ってみたのです。
町のウェブサイトで出版物を販売している場所を調べて、行ってみたら。
あれ?
私は仕事柄、関東近辺のいろいろな市や区に行って、そこの市の情報資料室や閲覧室みたいな所に行って、市勢要覧やら基本計画書やらを閲覧し、場合によっては購入したりしたものです。
まあそれに近いものをイメージしていたのですが。
行ってみたら、フツーの執務室。
大きな部屋の一部が通路になって、それに沿ってカウンターがあって。
何となく近づきにくい。
思い切って「出版物を扱っているのはこちらですか?」と。
そしたら一瞬「え?」みたいな反応をされ、そのあと「ああ・・・」。
その後、「出版物はお決まりですか?」と聞かれ、これとこれとこれを・・・と言うと、そばの事務棚の引き戸を開けて、ごそごそと探し出しました。
販売している出版物なのに、まるで庁内資料扱い、少しでも売ろうという商売っけはゼロです。町の人たちも購入しに来る人がほとんどいないのでしょう、対応も不慣れな感じに見えました。
役場は、もっと町の人たちに町の歴史を知ってもらおう、という気は無いのだろうか・・・?
と、都市郊外としてこの町はどんどん人口が増えているのに、役場は未だに田舎の町役場のようだった、という感想で、まあそんな雰囲気が私は好きなのでこれについては特に何か言おうという気はないのですが、もうちょっと町の人たちにアピールしてもいいんじゃない・・・と思ったのです。
購入した町の歴史の本に書かれていた内容としては、予想通りというか、それほど個性の強い歴史はあまり無くて、学校で使う普通の日本史の教科書に書かれていそうな内容が半分くらいでしたが、残りの半分は小粒ではありますがそれなりにこの地ならではのエピソードが綴られていて、ちょっと親近感が湧きました。
それにしても、これらの本に出てくるように、昔ながらの伝統や行事は近代化が進むにつれ昭和40年代に急速に廃れてきたとあり、そのころといえば私の両親が、畑をつぶして新興住宅地になったこの場所に移り住んできたころであり、どうりでこの本に書かれているような昔ながらの行事は見たことがなかった、と納得したのでありました。
今はどうか分かりませんが、この町の歴史のことなど、学校ではほとんど教わった記憶が無いし、このころ町の歴史の断絶が起こってしまったのだろうと思いました。
だからなのかどうか分かりませんが、私はうまれたふるさとへの愛着が、どうも足りない気がしていました。
これはきっと、それまでふるさとの町にずっと続いていた歴史が、私には受け継がれなかったから。
ふるさとなのにふるさとの気がしない、そんなぼんやりとした気持ちの原因の一つは、ここにあったのではないか、と思いました。
そうだ、これから住むところの歴史を、少しは勉強してみよう。そして、子どもにもそれを受け継いでいこう。
そう思いました。
それが、郷土愛を育むということ。そしてそれは、自分の、子どもの、アイデンティティを育むこと。
そんな気がしました。
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