#158
「平均的です」
2015-2-25
私の娘が通う保育園で、主に子どもたちの知的・身体的発達について検査・観察・アドバイスをされている先生が、娘の発達状況について説明してくれるというので、仕事を抜け出して妻と保育園でお話を聞きました。
子どもたちを見てくれたM先生は、娘の特性や年齢的に発達状況がどうなのかを説明され、昨年よりもずいぶんと体の動きや表現の仕方が良くなっているとおっしゃってくれました。
そして、検査や活動の観察から見て、去年はちょっと年齢的に発達がやや遅れている面があったが、今年は平均的です、とおっしゃってくれました。
この「平均的」って話を聞いて、私たち夫婦は「おー、そうなんだ、よかったよかった」と、ちょっとホッとしたのです。
里子として引き取られる子どもは心に傷を持った子が多いという話を、里親になる前の講習の時にも聞いていました。そして、里子として子どもを委託される時には分からなかった障害が後になって現れるケースもあると聞いたことがありましたので、悪い言い方をすれば、正直なところ「娘に良好な発達をさほど期待していなかった」し、「何かがあってもそれを受け止める覚悟」はしていました。
それが今回の話では「平均的」だってことですから、とりあえず良かった良かった、と胸を撫で下ろしたのでした。
それはさておき、今回のお話の中で、先日の里親研修で聞いた話とつながったものがありました。
今回、一連の先生との話の中で、妻が、娘が家では「私が、私が・・・」と、がめつくなる、という話をしました。
食事の時、大好きなおかずは、自分が一番大きなものが欲しい。
おやつの時も、好きなお菓子は、自分が一番大きなものが欲しい。
「それは試しているんだと思いますよ。」
あっ。それ、試し行動じゃないか。愛情確認をしてたのか。
まさに、先日の里親研修で岩崎先生がさんざんお話してくださった内容とつながりました。
先日、岩﨑先生が、試し行動をする子どもたちは、気持ちが満たされればそれ以上要求しない、ということをおっしゃってましたが、そういえば娘も、じゃあ好きなの選びなって言うと、「明らかに大きくない方」を選んで満足することがありました。
自分が「大きなものをもらう」「好きなものを選ばせてもらう」ことで親からの愛情を確認しようとしていたのですね。
試し行動は里子が引き取られた直後に親子関係が安定するまでの一定期間に行われるもの、うちの娘はもう試し行動は終わった、と思っていました。
しかし、M先生は「試し行動」という言葉は使いませんでしたが、程度こそ小さいものの、その後も試し行動は形を変えながらずっと行われていたのです。
そしてM先生は、好きなようにやらせてあげてください、そしてもし失敗しても、ほらみなさい、などと言わないこと、とおっしゃいました。共感してあげることです、と。
「子どもの自尊心を傷つけてはいけません」
先生がおっしゃったこの言葉に私はハッとしました。
思い返すと、まさに自分はこれまで、そうとは考えずにこのことをしていたからです。
この言葉は、今回私の一番の収穫でした。
分かっていたつもりで分かってなかった、もう少し娘の気持ちに寄り添ってみよう、と思いました。
そういえば岩﨑先生も、命にかかわること以外、子どもにやりたいことをやらせてあげてくださいって、言ってたな・・・
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娘が砂でケーキを作ってくれました
保育園の片隅の桜の花がもう咲き始めました
カテゴリー:こどもとともに